【中島みゆき『組曲(Suite)』を1曲ずつ聴き込んでいく7】もういちど雨が
11/11(水)に発売された中島みゆき様の41作目のオリジナル・アルバム『組曲(Suite)』。
このアルバムをえらく気に入ったので、1曲ずつ聴き込んでいくシリーズ。その7回目です。
今回は『もういちど雨が』。
この曲の1つ前の『空がある限り』と、どこかテーマが共通しており、このアルバムの中で『空がある限り』と『もうちど雨が』の2曲で1セットのような構成に感じる。
最初、この曲を聴いた時は、ある旅人がホテルに宿泊していて、ホテルの外から聞こえる雨の音を、旅人が聴いているイメージが浮かんだ(この旅人が旅に出た理由は分からないけれど…)。
その後、歌詞を読みながらこの曲を聴いてみると、違うイメージが浮かんできた。この曲は、何か大きな災害の被害にあった方達に向けた歌でもあるのかなぁと思った。
この街の雨は ひそやかな音で降るね
今もまだ馴染めなくて 聞き逃しそうになる
という歌詞であったり、
この街の外で もういちど出会えたなら
寂しさに騙されずに 求め合えるだろうか
過ぎてゆく時間より他にもうないのかな
悲しみを拭い去る奇跡はないのかな
といった歌詞など、やむを得ず自分の故郷や住んでいる街から離れざるを得なくなってしまった人達の気持ちが綴られていると思う。何の災害なのかまでは特定する必要はないのだけれど、そのような経験をされた方はとても胸を打つ歌ではないだろうか。
そして、下記の歌詞でこの歌が締めくくられているのも、みゆき様の優しさが溢れていると思う。
もういちど雨が降りだしたみたいだね
もうないと思っていた空が まだあるらしい
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